深川善次「」


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前のエントリーの続きです

 

田舎によくある住居です

 

佐賀県というところは、湿気が多いので、土間があって住居は少し高いところに居間があります

 

 

風通りを良くするために、扉が開いています

 

 

暗い屋内から外を見たところは、明るい夏を思わせる風景です

 

 

では、何だと思いますか

 

 

そうなんです

これは特攻隊に行った息子の帰りを待つ母の視線で書かれた絵なのです

 

 

夏になると、こうして扉を開けていれば、息子が帰ってくるかもしれない

 

 

陰鬱とした屋内と夏の季節感を感じさせる緑が外に写っています

 

 

この絵は写っているものはそれだけですが、それ以上に強烈に残された母親の視線というものを意識させる作品になっています

 

 

と同時に絵画やアートというものはそこに母親の姿はかかられていませんし亡くなったであろう息子の姿も描かれていません

 

 

戦争というものは大きい権力によって人の命を奪うものですからそれに対する深い悲しみやそこから学ぶ教訓というものを表現するということはまさにこういうことなのだということを子供の時に学んだのでした

 

 

この絵をよく見るとその開いた扉の所に明るい緑色が差し込んでいて戦場に送り出した母親の気持ちと帰りを待つ心情が表現されています

 

 

本当の心情はさておき、家族を心配させまいと笑顔で子供は出ていき笑顔で送り出したはずなのですから

 

 

笑顔で子供が帰ってくるのは笑顔で待つその様な、外の明るさとともに、もう戦争は終わってしまい二度と帰ってくることがないとわかっているその心象風景が描かれた作品です