こぼれおちるものと鳩の巣原理

今週のお題「こぼしたもの」

 

鳩の巣原理という数学の理論がある。

 

m個のものをn個の箱にどのように分配しても、必ず2個以上のものが入っている箱が少なくとも1つは存在する。(m>n)

 

というやつだ。具体的に鳩の巣で例えると、巣が5つ、鳩が6羽いるときに、どう鳩を割り振っても必ず2羽鳩が入る巣が存在するという原理である。

 

そして、この当たり前の話を、私は時々思い出す。

 

日常生活は、仕事、家庭、友人、趣味、健康、それぞれが異なる巣で、時間のつぶに割り振られている。

鳩ノ巣原理は、要素(鳩)が集合(巣)に割り当てられる際、要素の数が集合の数を上回る場合、必ずどれかの集合に複数の要素が入るという話だ。

これを日常生活に当てはめると、私たちの多忙さが、何かが「こぼれおちる」可能性を高めることを示唆している。

 

例えば、働く人々にとって、仕事、家庭、友人との交流、趣味、健康など、さまざまな巣が存在する。

しかし、時間の箱は有限個なので、なにかがこぼれ落ちてしまうのだ。

 

そして、なにがこぼれおちるのか、わからない。対応できない。なにか大切なものをこぼれおちるのか後になって気が付くのだ。

 

余裕を持つためには、計画的な時間管理、優先順位の設定、適度な休息、健康なライフスタイルの維持などが役立つという。日常生活に余裕を持つことは、日常のバランスを保ち、こぼれおちることを最小限に抑える手助けをしてくれる

 

しかしそれは有限の箱である以上、必ずなにかはこぼれ落ちる。

なので、こぼれ落ちたものは仕方がないが、自分の意志で積極的に「こぼしたもの」が必要だ。

 

仕事、家庭、友人、趣味、健康を、有限個の箱の外にどんどんこぼしていくのだ。

 

そして、他人と共有できる箱を準備して、大事なことで容量を増やすことがいいのかもしれない。SNSは共同のごみ箱だとおもったら、あまり自分の時間をとられるのは本当に無駄なことだ

 

日常生活の中で自分自身に余裕を持つためのスペースを確保するために、もっと積極的に自分の不必要なものをこぼしていく必要があるのではないか。