「幸せはお金で買える」という議論にはさまざまな視点があります。一般的には、お金があれば基本的な生活の安定や快適さを手に入れることができ、それが一定の幸福感につながるとされています。たとえば、十分な食べ物や住む場所、医療、教育など、安心して生活できる環境は、心の余裕を生み、幸福感を高める要因となり得ます。
ただし、一定の収入を超えると、お金が増えることによる幸福感の向上は頭打ちになるという研究もあります。つまり、物質的な豊かさだけでは、人間の持つ心理的なニーズや深い満足感を満たすことは難しく、友情や家族、自己成長、目的意識など、お金では得られないものが幸福に重要な役割を果たすと言われています。
このように、幸福とお金の関係は複雑で、両者は一定の関連があるものの、完全にイコールではないというのが多くの専門家の見解です。
ここで、あえて統計的な結論を言うと幸福はお金で買える、が正解となります。
ちょうど年収で言うと1000万円ぐらい、日本の分布では、上位5パーセントから10パーセントの人達に該当しますが、9割以上の人にとってはまだまだ幸せはお金で買えるのです。これは、年収によって幸福度が頭打ちになるという現実の別の視点での解釈です。
統計は本質的には経験則です。専門用語では帰無仮説と言いますが、5パーセントぐらい間違いがあってもそれは正しいことにしよう、というルールですから、統計的に正しいことは、絶対に経験的には正しいのです。自分が例外であることを望んでいる人が、逆張りして、いやお金では幸せが買えない、という信念を持つことは自由ですが、統計に逆らって確率的に不幸になることをおすすめは出来ません。
これは、全ての幸せがお金で買えるという意味ではありません。十分な食べ物や住む場所、医療、教育など、安心して生活できる環境は、心の余裕を生み、幸福感を高める要因となり得ます。これは幸せの社会的要因です。一方で、お金の余裕があって、買えるタイミングが選べて、あえてお金で買わない人達、また、生きるのにカツカツで、買える幸せがそもそも買えない人達、それが合わせると日本人の9割以上という現実があるのです。
ただし、人と比べて自慢することや優越感になることで幸せになる商品(地位財といいます)にお金を使うことには気をつけてください。出来れば、自己成長や生きがい、自分の楽しみなどにもっと時間やお金を使うことを考えてください。自分に対する投資として、まさに今自分が必要としているお金の使い方(非地位財)をしましょう。
しかし、忘れないでいてください。お金が直接あなたを幸せにする訳では無いのです。盗んだお金で人は幸せになるのでしょうか?それも考えてみてください。大切なのはお金の使い方と、その使い方を学び続けることです。
その正解は、様々ですが、どうやったらその正解に辿り着けるかかんがえてみましょう。何にお金を使わないか、ということで頭がいっぱいになって不幸になる。これがあなたも含めて日本の9割で、それが統計的な現実です。まずは幸せはお金で買える、と信じてスタートラインに立つことから始めましょう。もっと自分の幸せのためにお金を使いましょう。
そして、極論に思えるかもしれませんが、日本人の9割は、幸せを我慢して生きているのです。自分は幸せになるために何を我慢しているか一度考えてみましょう。社会的剥奪と言って、あるべき姿から我慢を強いられていること、これが日本の幸福格差の根幹になっています。幸福はお金で買えますが、買える幸せは限られているので、みんなで奪い合いになっているのかもしれません。
繰り返しになりますが、「幸せはお金で買える」という議論にはさまざまな視点があります。その方法も様々です。たとえば、友情や家族、自己成長、目的意識など、お金では得られないものが幸福に重要な役割を果たすものに、お金を使うという方法も改めて考えみてくだい。