市場参入に対する考え方や、原価率など経済マーケティングの基本と応用をしっかり繋いでくれる良い本だと思いました
参考文献がものすごく充実していてこのリストと解説を見るだけでも物事がよりクリアに視界が開けてきます
これ予言の書のように思えます
特に日本の労働生産性の低さから今で言うブラック労働の問題などもきちんと指摘してあり、凄いなと思います
残念なところは何かと言うと
これは著者とは関係ない問題なんですけれども
これは時代だったのかもしれませんが、かなりビジネスの現場では、男性の硬直した思考が蔓延しているなという雰囲気があるということです
最近では、より感情に訴えるものや時間割引率の重要性、つまり顧客の時間を奪わないこと
競争によってビジネスが勝つというようなマッチョなビジネスの時代とまた変わってきて消費行動自体もよりジェンダーニュートラルになってきたこともありますので、そういった変化の発端を色んな角度から捉えているという風にも読める本でした
このこと自体は近年の著者の分析や叙述により、より詳細に正確に指摘されているところです
なので、この本は10年前に書かれた本としては、当時のビジネス環境を解説した本として優秀なだけではなくある意味、男性中心のビジネスが何故オワコンになっていたかということを今から振り返ってみるのも有益だと思います