大丈夫の種を蒔こう

将棋を指していると、もうダメだと思うことがあります

 

不思議なものでそこからの逆転というのもかなりあります

 

 

大山康晴15世名人の有名な言葉に

 

ダメだと思っていても助かっているという言葉があります

 

 

ダメだと思って言っても助かっている

 

 

私は大学に入る時に国立大学を4回受験をしています

 

 

当時前期と後期の受験があって

現役と一浪の合計4回、同じ大学を受験しました

 

 

結果から言うと4回目に晴れて大学に合格しました

 

このこと自体は自分が恵まれた状況にいたのだと思います

 

 

ただし4回目の受験では、これを最後にしようと思いました

 

 

ダメだと思っていても助かってるというのは結果的に大学に合格したからこそ言えるのであって

 

当時の、まだ結果が分からなかった時に、自分がどう取り組んだのかということを正直にお話しようと思います

 

 

結局3回目の受験と4回目の受験の間は3週間しかなく

 

 

限られた時間の中で何をするかというのをとことん考えました

 

 

その時にまず最初に決めたのは限られた時間だからこそ、何をしないかということをとことん考えるということでした

 

勉強ごっこはやめるということです

成果に結びつくことだけに絞る

 

とにかく新しいことをできる時間はなかったのでできることを確実に早くできるようにやることを絞りました

 

難しいことはしない

簡単にできることはしない

 

結局大したことはしていません

というより、出来ませんでした

 

今でも覚えているのは二桁かける二桁の掛け算とか

 

因数分解とか

 

 

英語も基礎的な3000語をベースに頻度の高い言葉や、よくあるフレーズを繰り返し行いました

 

 

応用問題には手を出さず愚直にできる問題を確実にできるよう、繰り返したと思います

 

 

そして、試験の日がやってきました

 

後期試験はある意味採点する人達の労力は最小限で試験を受ける受験生にとっては難問といった問題が選ばれる傾向がある大学でした

 

初日は数学が三問だけ出題され

しかもそれが配点の60%を占めるという大一番でした

 

500点中300点の配点が初日に課せられ

 

三問の問題が出題され

 

なんと全ての問題が自分に何か語りかけるような気がしました

 

出題者の意図を感じとり、それに愚直に答えること

 

 

それ以上でもそれ以下でもなく2時間半、そうした問いかけに答えて

 

 

終わった瞬間、自分を抱きしめたい気持ちになりました

 

 

今でも当時の問題を見返すのですけれども正直、なぜその時、これらの問題が解けたのかはわかりません

 

 

ただ間違いなく3回目の試験に落ちた時からこれができれば大丈夫ということをそれこそ掛け算からやり直したり簡単な単語を覚え直したり

 

自己肯定感が低くなりそうな時には大丈夫大丈夫と言い聞かせて1歩ずつ前に進んでいったのだと思います

 

 

結果として4回目の試験で、やっと合格したのですけれども

 

結果を出すために何をやったかというよりも結局問題や必要なプロセスと向き合うこと

 

大丈夫前に進める

大丈夫、またやり直せる

そういった訓練を重ねたことが、自分の宝物になったのだなと今では思います

 

 

大丈夫の種をまくという風に

毎日少しずつできることを積み重ねていくこと

 

自分の命が終わる、その日まで

愚直に愚直に前に進んでいこうと思っています